覚せい剤取締法41条の覚せい剤輸入罪の既遂時期

(平成13年11月14日最高裁)

事件番号  平成13(あ)522

 

最高裁判所の見解

覚せい剤を船舶によって領海外から搬入する場合には,

船舶から領土に陸揚げすることによって,

覚せい剤の濫用による保健衛生上の危害発生の危険性が著しく

高まるものということができるから,覚せい剤取締法41条1項の

覚せい剤輸入罪は,領土への陸揚げの時点で

既遂に達すると解するのが相当であり(前記第一小法廷判決参照),

これと同旨の原判断は相当である。

 

所論の指摘する近年における船舶を利用した覚せい剤の密輸入事犯の頻発や,

小型船舶の普及と高速化に伴うその行動範囲の拡大,

GPS(衛星航法装置)等の機器の性能の向上と普及,

薬物に対する国際的取組みの必要性等の事情を考慮に入れても,

被告人らが運行を支配している小型船舶を用いて,

公海上で他の船舶から覚せい剤を受け取り,

これを本邦領海内に搬入した場合に,

覚せい剤を領海内に搬入した時点で

前記覚せい剤輸入罪の既遂を肯定すべきものとは認められない。

 

弁護人真木幸夫の上告趣意は,違憲をいうが,

実質は単なる法令違反の主張であって,

刑訴法405条の上告理由に当たらない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

判例をわかりやすく解説コーナー


スポンサードリンク