訴えの取下げと地方自治法242条の2第7項にいう「勝訴(一部勝訴を含む。)した場合」

(平成17年4月26日最高裁)

事件番号  平成15(受)1771

 

この裁判では、

訴えの取下げと地方自治法(平成14年法律第4号による

改正前のもの)242条の2第7項にいう

「勝訴(一部勝訴を含む。)した場合」について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

地方自治法242条の2第7項は,同条1項4号の規定による訴訟を

提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合において,

弁護士に報酬を支払うべきときは,普通地方公共団体に対し,

その報酬額の範囲内で相当と認められる額の

支払を請求することができると定めている。

 

当該訴訟の提起及び追行が契機となって普通地方公共団体が

経済的利益を受けることとなった場合であっても,

当該訴訟が果たして,また,どの程度これに寄与したかを判断して,

弁護士報酬相当額の支払請求を認めるか否かを

決することは必ずしも容易ではない。

 

そこで,同法は,同号の規定による訴訟が

住民全体の利益のために提起されるものであり,

訴えを提起した者の個人的な権利利益の保護救済を求めて

提起されるものではないという特質も考慮して,

上記の支払請求をすることができる場合について

客観的に明確な基準を設けることによって,

その判断を画一的に行うこととしたものと解することができる。

 

このような同条1項4号及び7項の規定の趣旨及び文言に照らせば,

同条1項4号の規定による訴訟を提起した者が,

同条7項に基づき普通地方公共団体に対して

弁護士報酬相当額の支払を請求するには,

その者が当該訴訟につきその完結する時において

勝訴(一部勝訴を含む。)したということができることを

要するものと解するのが相当である。

 

そうすると,訴訟は,訴えの取下げがあった部分については,

初めから係属していなかったものとみなされる(民訴法262条1項)の

であるから,地方自治法242条の2第1項4号の規定による訴訟が

提起されたことを契機として普通地方公共団体が

当該訴訟に係る損害について補てんを受けた場合であっても,

その訴えが取り下げられたことにより当該訴訟が終了したときは,

同条7項にいう「第1項第4号の規定による訴訟を

提起した者が勝訴(一部勝訴を含む。)した場合」には

当たらないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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