訴訟上の救助の制度

(平成19年12月4日最高裁)

事件番号  平成19(許)7

 

この裁判では、

訴訟上の救助の決定を受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,

その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合において,

裁判所が同決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく

同決定を受けた者に対し猶予した費用の支払を命ずることの許否について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

民事訴訟において,訴訟上の救助の決定(以下「救助決定」という。)を

受けた者の全部敗訴が確定し,かつ,

その者に訴訟費用を全部負担させる旨の裁判が確定した場合には,

救助決定は当然にその効力を失い,裁判所は,

救助決定を民訴法84条の規定に従って取り消すことなく,

救助決定を受けた者に対し,猶予した費用の支払を

命ずることができると解するのが相当である。

 

なぜなら,訴訟上の救助の制度は,民事訴訟においては

原則として敗訴の当事者が

訴訟費用を負担すべきこと(同法61条)を前提として,

訴訟の準備及び追行に必要な費用を支払う資力がない者等に対し,

勝訴の見込みがないとはいえないときに限り,救助決定により,

訴訟及び強制執行につき裁判費用等の

支払の猶予等をするものであって(同法82条1項,83条1項),

その支払を免除するものではないのであるから,少なくとも,

訴訟の完結により,救助決定を受けた者の全部敗訴が確定して

勝訴の見込みが完全に失われ,その者が訴訟費用の全部を

負担すべきことが確定した場合にまで救助決定の効力が

維持されることは予定されていないというべきだからである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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