証券取引法違反、商法違反

(平成6年7月20日最高裁)

事件番号  昭和63(あ)1102

 

 

最高裁判所の見解

証券取引法一二五条二項一号後段は、有価証券の相場を変動させるべき

一連の売買取引等のすベてを違法とするものではなく、

このうち「有価証券市場における有価証券の売買取引を誘引する目的」、

すなわち、人為的な操作を加えて相場を変動させるにもかかわらず、

投資者にその相場が自然の需給関係により形成されるものであると

誤認させて有価証券市場における

有価証券の売買取引に誘い込む目的をもってする、

 

相場を変動させる可能性のある売買取引等を禁止するものと解され、

また、同法一二五条三項は、同条二項の場合とは異なり、

「有価証券市場における有価証券の売買取引を誘引する目的」

をもってするものであることを要しないことは、

その文言から明らかであるから、

右各規定の構成要件が所論のように不明確であるとはいえない。

 

 

 

 

証券取引法一二五条二項及び三項はいずれも禁止行為の主体を

「何人も」と規定しており、証券取引所の会員以外の者は

右会員に委託することによって有価証券市場において

売買取引を行うことができるのであるから、

証券取引所の会員以外の者も右各条項の保護法益を

侵害することができるのである。

 

また、同法一〇七条の趣旨は、同法八〇条二項により

証券取引所が会員組織であることを要することから、

証券取引所の会員に限って有価証券市場における

売買取引を行うことができることとしたにすぎず、

同法一二五条二項及び三項の規制の対象まで証券取引所の会員に

限定する趣旨のものであるとは解されない。

 

右の諸点にかんがみると同条二項一号後段の

変動操作の罪及び同条三項の安定操作の罪は、

いずれも刑法六五条一項にいう身分によって

構成すべき犯罪ではないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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