詐害行為取消権は,取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するか

(平成22年10月19日最高裁)

事件番号  平成21(受)708

 

この裁判では、

詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,

取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して複数発生するかについて

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

,詐害行為取消権の制度は,債務者の一般財産を保全するため,

取消債権者において,債務者受益者間の詐害行為を取り消した上,

債務者の一般財産から逸出した財産を,総債権者のために,

受益者又は転得者から取り戻すことができるとした制度であり,

取り戻された財産又はこれに代わる価格賠償は,

債務者の一般財産に回復されたものとして,

総債権者において平等の割合で弁済を受け得るものとなるのであり,

取消債権者の個々の債権の満足を直接予定しているものではない。

 

上記制度の趣旨にかんがみると,

詐害行為取消訴訟の訴訟物である詐害行為取消権は,

取消債権者が有する個々の被保全債権に対応して

複数発生するものではないと解するのが相当である。

 

したがって,本件訴訟において,

取消債権者の被保全債権に係る主張が前記事実関係等のとおり

交換的に変更されたとしても,攻撃防御方法が変更されたにすぎず,

訴えの交換的変更には当たらないから,

本件訴訟の提起によって生じた詐害行為取消権の

消滅時効の中断の効力に影響がないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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