貸金業の規制等に関する法律43条1項の規定の適用要件

(平成16年2月20日最高裁)

事件番号  平成15(オ)386

 

最高裁判所の見解

(1) 利息制限法2条は,貸主が利息を天引きした場合には,

その利息が制限利率以下の利率によるものであっても,

現実の受領額を元本として

同法1条1項所定の利率で計算した金額を超える場合には,

その超過部分を元本の支払に充てたものとみなす旨を定めている。

 

そして,法43条1項の規定が

利息制限法1条1項についての特則規定であることは,

その文言上から明らかであるけれども,

上記の同法2条の規定の趣旨からみて,

法43条1項の規定は利息制限法2条の

特則規定ではないと解するのが相当である。

 

したがって,貸金業者との間の金銭消費貸借上の約定に基づき利息の

天引きがされた場合における天引利息については,

法43条1項の規定の適用はないと解すべきである。

 

これと異なる原審の前記3(1)の判断には,

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

(2) 法43条1項は,貸金業者が業として行う

金銭消費貸借上の利息の契約に基づき,

債務者が利息として任意に支払った金銭の額が

利息の制限額を超え,利息制限法上,その超過部分につき,

その契約が無効とされる場合において,貸金業者が,

貸金業に係る業務規制として定められた法17条1項及び

18条1項所定の各要件を具備した各書面を交付する義務を遵守したときには,

利息制限法1条1項の規定にかかわらず,

その支払を有効な利息の債務の弁済とみなす旨を定めている。

 

貸金業者の業務の適正な運営を確保し,

資金需要者等の利益の保護を図ること等を目的として,

貸金業に対する必要な規制等を定める法の趣旨,目的(法1条)と,

上記業務規制に違反した場合の罰則(平成15年法律第136号による

改正前の法49条3号)が設けられていること等にかんがみると,

法43条1項の規定の適用要件については,

これを厳格に解釈すべきものである。

 

法43条1項の規定の適用要件として,

法17条1項所定の事項を記載した書面(以下「17条書面」という。)を

その相手方に交付しなければならないものとされているが,

17条書面には,法17条1項所定の事項の

すべてが記載されていることを要するものであり,

その一部が記載されていないときは,

法43条1項適用の要件を欠くというべきであって,

有効な利息の債務の弁済とみなすことはできない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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