逃亡犯罪人引渡法10条1項3号の決定に対する不服申立ての許否

(平成6年7月18日最高裁)

事件番号  平成6(し)111

 

最高裁判所の見解

本件抗告の趣意は、東京高等裁判所がした

逃亡犯罪人引渡法一〇条一項三号の決定に対して、

刑訴法四三三条一項の適用又は準用により

刑訴法の特別抗告が許されると解すべきであり、

そう解さないときは憲法八一条の趣旨に反することになるとした上、

原決定は憲法三一条、三二条、三四条、三七条二項に

違反すると主張する。

 

しかしながら、右決定は、逃亡犯罪人引渡法に基づき

東京高等裁判所が行った特別の決定であって、

刑訴法上の決定でないばかりか、逃亡犯罪人引渡法には、

これに対し不服申立てを認める規定が置かれていないのであるから、

右決定に対しては不服申立てをすることは許されないと解すべきであり、

したがって、本件申立ては不適法である。

 

また、右決定の性質にかんがみると、このように解しても

憲法八一条に違反するものでないことは、

当裁判所大法廷判例(昭和二二年(れ)第四三号同二三年三月一〇日判決・

刑集二巻三号一七五頁、昭和二六年(ク)第一〇九号同三五年七月六日決定・

民集一四巻九号一六五七頁、昭和三六年(れ)第四一九号

同四〇年六月三〇日決定・民集一九巻四号一〇八九頁、

昭和三七年(ク)第二四三号同四〇年六月三〇日決定・

民集一九巻四号一一一四頁、昭和三九年例第一一四号

同四一年三月二日決定・民集二〇巻三号三六〇頁、

昭和三七年(ク)第六四号同四一年一二月二七日決定・

民集二〇巻一〇号二二七九頁、昭和四二年(し)第七八号

同四四年一二月三日決定・刑集二三巻一二号一五二五頁、

昭和四一年(ク)第四〇二号同四五年六月二四日決定・

民集二四巻六号六一〇頁、昭和四〇年(ク)

第四六四号同四五年一二月一六日決定民集二四巻一三号二〇九九頁)の

趣旨に徴して明らかである(最高裁平成二年(し)

第五二号同年四月二四日第一小法廷決定・

刑集四四巻三号三〇一頁参照)。

 

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