通信社から配信を受けた記事をそのまま掲載した新聞社

(平成14年3月8日最高裁)

事件番号  平成8(オ)852

 

最高裁判所の見解

民事上の不法行為である名誉毀損については,

その行為が公共の利害に関する事実に係り,

その目的が専ら公益を図るものである場合には,

摘示された事実がその重要な部分において

真実であることの証明があれば,

同行為には違法性がなく,また,真実であることの証明がなくても,

行為者がそれを真実と信ずるについて相当の理由があるときは,

同行為には故意又は過失がなく,不法行為は成立しない

(最高裁昭和37年(オ)第815号同41年6月23日

第一小法廷判決・民集20巻5号1118頁参照)。

 

そして,本件のような場合には,掲載記事が一般的には

定評があるとされる通信社から配信された

記事に基づくものであるという理由によっては,

記事を掲載した新聞社において

配信された記事に摘示された事実を

真実と信ずるについての相当の理由があると

認めることはできないというべきである

(最高裁平成7年(オ)第1421号同14年1月29日

第三小法廷判決・裁判所時報1308号9頁

〔編注:民集56巻1号185頁〕参照)。

 

そうすると,本件において,被上告人には本件記事に

摘示された事実を真実と信ずるについて相当の理由があり,

過失が認められないとした原審の判断には,

判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。

 

論旨は理由があり,原判決は破棄を免れない。

そこで,被上告人の上告人に対する損害賠償の額について

更に審理をさせるため,本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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