通行地役権確認

(平成10年12月18日最高裁)

事件番号  平成8(オ)2343

 

最高裁判所の見解

通行地役権の承役地の譲受人が

地役権設定登記の欠缺を主張するについて

正当な利益を有する第三者に当たらず、通行地役権者が譲受人に対し

登記なくして通行地役権を対抗できる場合には、

通行地役権者は、譲受人に対し、同権利に基づいて

地役権設定登記手続を請求することができ、

譲受人はこれに応ずる義務を負うものと解すべきである。

 

譲受人は通行地役権者との関係において

通行地役権の負担の存在を否定し得ないのであるから、

このように解しても譲受人に

不当な不利益を課するものであるとまではいえず、また、

このように解さない限り、通行地役権者の権利を十分に保護することができず、

承役地の転得者等との関係における取引の安全を確保することもできない。

 

これを本件について見るに、DとE商事との間に昭和四一年五月一二日に

Dの所有地を要役地としE商事所有の本件土地を承役地として

通行地役権を設定する旨の合意がされ、

上告人らはその後分筆された要役地をそれぞれ承継取得し、

被上告人らは承役地を承継取得したのであるところ、

右通行地役権については地役権設定登記はないが、

前記のとおり被上告人らは右設定登記の欠缺を主張するにつき

正当な利益を有する第三者に当たらないのであるから、

上告人らは、被上告人らに対し、右通行地役権に基づき、

右合意の日である昭和四一年五月一二日設定を原因とする

地役権設定登記手続を請求することができるものというべきである。

 

そうすると、右とは異なる見解の下に上告人らの

地役権設定登記手続請求を棄却した原審の判断には、

法令の解釈適用を誤った違法があるというべきであり、

右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

この点をいう論旨は理由があり、

原判決中右請求に関する部分は破棄を免れない。

 

そして、前記説示に徴すれば、

上告人らの地役権設定登記手続請求は理由があり、

これと結論を同じくする第一審判決は正当であるから、

被上告人らの控訴のうち同請求に関する部分は理由がなく、

これを棄却すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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