道路交通法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告

(平成14年9月26日最高裁)

事件番号  平成14(さ)1

 

最高裁判所の見解

本件記録によると,龍野簡易裁判所は,平成9年7月24日,

「被告人は,酒気を帯び,呼気1リットルにつき

0.25ミリグラム以上のアルコールを身体に保有する状態で,かつ,

運転免許証を携帯しないで,平成9年6月15日午前1時20分ころ,

兵庫県龍野市ab番地のc付近道路において,

普通貨物自動車(軽四)を運転した」との事実を認定した上,

道路交通法(平成13年法律第51号による改正前のもの。

以下「法」という。)119条1項7号の2,65条1項,

平成14年政令第24号による改正前の道路交通法施行令44条の3,

法121条1項10号,95条1項,刑法54条1項前段,

10条,18条,刑訴法348条を適用して,

「被告人を罰金5万1000円に処する。

 

これを完納することができないときは金5000円を

1日に換算した期間労役場に留置する。

 

ただし,端数を生じたときはこれを1日とする。

上記罰金に相当する金額を仮に納付することを命ずる。」旨の略式命令を発し,

この略式命令は平成9年8月8日確定したことが認められる。

 

しかしながら,法119条1項7号の2の罪の法定刑は

「3月以下の懲役又は5万円以下の罰金」であり,

法121条1項10号の罪のそれは「2万円以下の罰金又は科料」であるところ,

原略式命令が被告人の所為は1個の行為が数個の罪名に

触れる場合に当たるものとして刑法54条1項前段を適用したのは正当であるから,

本件については,重い法119条1項7号の2の罪の刑で処断すべきであり,

罰金刑を選択した場合には,その処断刑の多額は5万円となる。

 

したがって,これを超過して被告人を罰金5万1000円に

処した原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益である。

 

よって,刑訴法458条1号により,原略式命令を破棄し,

被告事件について更に判決することとする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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