道路交通法3条,道路交通法施行規則2条,道路運送車両法67条1項

(平成18年2月27日最高裁)

事件番号  平成17(あ)1743

 

最高裁判所の見解

(1) 本件運転に係る自動車(以下「本件車両」という。)は,

長さ502㎝,幅169㎝,高さ219㎝で,

もともとは運転席及び座席が合計15人分設けられていたが,

被告人が勤務する建設会社において,かなり以前から,

後方の6人分の座席を取り外して使用していた。

 

しかし,本件車両の自動車検査証には,本件運転当時においても,

乗車定員が15人と記載されていた。

 

(2) 被告人は,普通自動車と大型自動車とが区別され,

自己が有する普通自動車免許で大型自動車を

運転することが許されないことは知っていたものの,

その区別を大型自動車は大きいという程度にしか考えていなかったため,

上記(1)のような本件車両の席の状況を認識しながら,

その点や本件車両の乗車定員について格別の関心を抱くことがないまま,

同社の上司から,人を乗せなければ普通自動車免許で

本件車両を運転しても大丈夫である旨を聞いたことや,

本件車両に備え付けられた自動車検査証の自動車の種別欄に

「普通」と記載されているのを見たこと等から,

本件車両を普通自動車免許で運転することが許されると思い込み,

本件運転に及んだものであった。

 

2 道路交通法3条は,自動車の種類を,

内閣府令で定める車体の大きさ及び構造並びに

原動機の大きさを基準として,大型自動車,普通自動車,

大型特殊自動車,大型自動二輪車,普通自動二輪車及び

小型特殊自動車に区分し,これを受けて,同法施行規則2条は,

大型特殊自動車,大型自動二輪車,普通自動二輪車及び

小型特殊自動車以外の自動車で,

車両総重量が8000㎏以上のもの,

最大積載量が5000㎏以上のもの又は

乗車定員が11人以上のものを大型自動車と,

それ以外のものを普通自動車と定めているところ,

乗車定員が11人以上である大型自動車の座席の

一部が取り外されて現実に存する席が

10人分以下となった場合においても,

乗車定員の変更につき国土交通大臣が行う

自動車検査証の記入を受けていないときは,

当該自動車はなお道路交通法上の大型自動車に当たるから,

本件車両は同法上の大型自動車に該当するというべきである。

 

そして,前記1の事実関係の下においては,

本件車両の席の状況を認識しながらこれを普通自動車免許で

運転した被告人には,無免許運転の故意を認めることができるというべきである。

そうすると,被告人に無免許運転罪の成立を認めた原判断は,

結論において正当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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