道路位置指定処分がされた土地上に設置された工作物の撤去請求が許されないとされた事例
(平成3年4月19日最高裁)
事件番号 昭和62(オ)741
最高裁判所の見解
特定の土地につき道路位置指定処分がされ、
当該土地が現実に道路として開設されている場合においては、
当該土地所有者以外の者も右土地を自由に通行することができると解すべきところ、
前示事実関係によれば、本件道路位置指定土地のうち、
上告人A1所有土地の部分は、
既存の本件私道との境界上(本件ブロック塀築造位置)に従前から
存在した竹垣及び柾木の生垣の内側に位置し、
現実に道路部分として開設されていなかったというのであるから、
被上告人がその部分を自由に通行することができるものではない。
そうすると、被上告人が右部分を自由に通行し得ることを前提として、
被上告人の本件妨害排除請求を認容すべきものとした原審の判断には、
法令の解釈適用を誤った違法があるというべきであり、
この違法が判決に影響を及ぼすことは明らかである。
この点の違法をいう論旨は理由があり、原判決は破棄を免れず、
前示事実関係に照らせば、
被上告人の請求は棄却すべきものである。
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