預り保証金等返還請求事件

(平成11年11月30日最高裁)

事件番号  平成10(オ)71

 

原審の認定したところによれば、

被上告人が会員の募集のために作成したパンフレットには、

本件ゴルフ場に高級ホテルが建設されることが

強調されていたというのであるから、

上告人が、被上告人との本件ゴルフ場の入会契約を締結するに当たり、

右のパンフレットの記載を重視した可能性は十分あるものと解される。

 

また、前記事実関係によれば、本件ゴルフ場の入会金及び

預託金の額は前記パンフレットに記載された

本件ゴルフ場の特徴に相応して高額になっていたが、

実際に被上告人によって提供された施設は

その規模や構造等において右のパンフレットの記載には到底及ばず、

このために上告人が本件入会契約を締結した目的を

達成できない可能性のあることがうかがわれる。

これらの事実は、被上告人において前記パンフレットに

記載されたホテル等の施設を設置して会員の利用に供することが

本件入会契約上の債務の重要な部分を構成するか否かを

判断するに当たって考慮される必要のある事実である。

 

2 そうすると、右の事実の存否等についての審理を尽くさず、

ゴルフプレーを行うために必要不可欠ではない

施設の完成の遅延を理由に会員が入会契約を解除することは

許されないとの見解に立って上告人の

請求を棄却した原審の判断には、

法令の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

この趣旨をいう論旨は理由があり、

その余の論旨について判断するまでもなく、

原判決は破棄を免れない。

 

そこで、前記パンフレットに記載されたホテル等の施設を設置して

上告人らの利用に供することが本件入会契約上の債務の重要な

部分を構成するか否かなどについて更に審理を尽くさせるため、

本件を原審に差し戻すこととする。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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