預託金会員制のゴルフクラブが民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるか

(平成14年6月7日最高裁)

事件番号  平成13(受)1697

 

最高裁判所の見解

民訴法29条にいう「法人でない社団」に当たるというためには,

団体としての組織を備え,多数決の原則が行われ,

構成員の変更にかかわらず団体そのものが存続し,

その組織において代表の方法,総会の運営,財産の管理

その他団体としての主要な点が確定していなければならない

(最高裁昭和35年(オ)第1029号同39年10月15日

第一小法廷判決・民集18巻8号1671頁参照)。

 

これらのうち,財産的側面についていえば,

必ずしも固定資産ないし

基本的財産を有することは不可欠の要件ではなく,

そのような資産を有していなくても,団体として,

内部的に運営され,対外的に活動するのに

必要な収入を得る仕組みが確保され,

かつ,その収支を管理する体制が備わっているなど,

他の諸事情と併せ,総合的に観察して,

同条にいう「法人でない社団」として

当事者能力が認められる場合があるというべきである。

 

これを本件について見ると,前記1の事実関係によれば,

上告人は,預託金会員制の

本件ゴルフ場の会員によって組織された団体であり,

多数決の原則が行われ,構成員の変更に

かかわらず団体そのものが存続し,規約により代表の方法,

総会の運営等が定められているものと認められる。

 

財産的側面についても,本件協約書の前記(ウ)の定め等によって,

団体として内部的に運営され対外的にも活動するのに

必要な収入の仕組みが確保され,かつ,

規約に基づいて収支を管理する体制も

備わっているということができる。

 

さらに,上告人と被上告人との間で本件協約書が調印され,

それに伴って規則も改正されているところ,

その内容にも照らせば,上告人は,

被上告人や会員個人とは別個の独立した存在としての

社会的実体を有しているというべきである。

 

以上を総合すれば,上告人は,民訴法29条にいう

「法人でない社団」に当たると認めるべきものであり,

論旨は理由がある。

 

以上と異なる見解に立って上告人の当事者能力を否定した原審及び

第1審の判断には,いずれも判決に影響を及ぼすことが

明らかな法令の違反がある。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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