預託金返還等請求事件

(平成12年3月9日最高裁)

事件番号  平成10(オ)1116

 

最高裁判所の見解

前記事実関係によれば、上告人と

本件ゴルフクラブの会員との間の契約関係は、

いわゆる預託金会員制ゴルフクラブの会員契約であるということができる。

 

右会員契約は、会員となろうとする者が所定の預託金

(会則等に定める一定の期間内はゴルフクラブを退会しても

返還請求をすることができない。)を払い込み、ゴルフ場経営会社が

将来に向かってゴルフ場施設を利用可能な状態に保持し、

会則に従ってこれを会員に利用させることを

その主たる内容としているものである。

 

そして、預託金を支払って会員となった者は、

ゴルフクラブの会員としての資格を有している限り、

会則に従ってゴルフ場施設を利用する権利を有し、

これを利用した場合にはゴルフ場施設利用料金の支払義務が発生する。

 

しかし、右の利用料金支払義務は、会員が実際に施設を利用しない限り

発生しないものであって、これを破産宣告時における

会員の未履行債務ということはできないことは明らかであり、

他に会員であるEに未履行の債務があることは記録上うかがわれない。

 

そうすると、本件会員契約は、

預託金の支払とゴルフ場施設を利用させる義務とが

対価性を有する双務契約ではあるものの、

上告人の債務は破産宣告時において未履行であるといえるが、

破産した会員であるEの側には未履行の債務がないというべきである。

 

したがって、被上告人は、破産法五九条一項により

本件会員契約を解除することができない。

 

四 以上によれば、原審の判断には法令の

解釈適用を誤った違法があり、右違法は判決に

影響を及ぼすことが明らかである。論旨は理由があり、

原判決は破棄を免れず、被上告人の請求は理由がないから、

第一審判決を取り消した上、被上告人の請求を棄却すべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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