類似意匠の意匠登録出願に係る意匠が先に意匠登録出願がされた他人の意匠と類似する場合

(平成7年2月24日最高裁)

事件番号  平成3(行ツ)139

 

最高裁判所の見解

類似意匠の意匠登録出願に係る意匠が先願意匠と類似する場合には、

先願意匠の意匠登録出願が取り下げられ又は

無効にされたときを除き、先願意匠が本意匠に

類似するかどうかにかかわらず、右類似意匠の意匠登録出願は、

意匠法九条一項により拒絶されるべきものと解するのが相当である。

 

けだし、意匠法九条一項の規定の適用上、

意匠登録出願が初めからなかったものとみなされるのは、

同条三項によりその意匠登録出願が取り下げられ、

又は無効にされたときに限られていることからすれば、

先願の意匠登録出願につき拒絶査定が確定したとしても、

その意匠登録出願が先願としての

地位を失うものではないと解すべきだからである。

 

右のように解したとしても、本意匠の範囲には影響しないから、

本意匠の保護を目的とする

類似意匠登録制度の趣旨を損なうものではない。

 

また、右の場合に本意匠の意匠権者が類似意匠の

意匠登録を受けることができなくなるのは、

その意匠登録出願が先願意匠の意匠登録出願に後れたためであって、

意匠法が類似意匠の意匠登録出願の時期について

本意匠の意匠権者を優遇する特別の規定を設けていない以上、

やむを得ないものというべきである。

 

これと異なる判断の下に本件審決に違法があるとした

原判決には法令の解釈適用を誤った違法があり、

この違法が原判決の結論に影響を及ぼすことは明らかである。

 

論旨は理由があり、原判決は破棄を免れない。

そして、前記事実関係の下においては、

本願意匠が意匠法九条一項所定の登録要件を充足せず、

意匠登録を受けることができないとした本件審決に違法はなく、

他に被上告人は本件審決の取消事由を主張していないから、

その取消しを求める被上告人の本訴請求は

理由がないのでこれを棄却すべきである。

 

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