麻薬特例法2条3項において不法収益とされる「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」

( 平成15年4月11日最高裁)

事件番号  平成13(あ)1267

 

最高裁判所の見解

改正前の麻薬特例法2条3項において不法収益とされる

「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」とは,

薬物犯罪の構成要件に該当する行為自体によって犯人が

取得した財産をいうものと解すべきである。

 

本件往復航空券のように,薬物犯罪を遂行する過程において

費消・使用されるものとして,犯人が他の共犯者から

交付を受けた財産は,当該薬物犯罪との関係では,

犯罪行為の用に供するために犯人が

取得した財産というべきものであって,

刑法19条1項2号の「犯罪行為の用に供し,

又は供しようとした物」に当たることがあるのは格別として,

上記「薬物犯罪の犯罪行為により得た財産」

には当たらないものと解すべきである。

 

記録によれば,被告人が逮捕された時点で所持していた

26万7136円及び被告人が逮捕される直前に共犯者Aに預けた

50万円の合計76万7136円の中には,

被告人が本件犯罪行為の報酬として共犯者Bから受け取った

1万5000香港ドルを日本円に両替した20万円が含まれていたと

認めるのが相当であるから,これらの中に報酬として得た財産に

当たるものがあることを認めなかった原判決には,

事実誤認があるというべきである。

 

しかしながら,上記50万円は,

Aに対する福岡地方裁判所平成11年(わ)

第1042号覚せい剤取締法違反被告事件の

判決において没収が言い渡され,この判決が確定していることが

認められることなどの事情に照らすと,結局,本件においては,

上記事実誤認を理由として原判決を破棄しなければ

著しく正義に反するとは認められない。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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