衆議院小選挙区選出議員の選挙についての1人別枠方式を含む区割基準の公職選挙法の規定の合憲性

(平成23年3月23日最高裁)

事件番号  平成22(行ツ)129

 

この裁判では、

衆議院小選挙区選出議員の選挙についての

いわゆる1人別枠方式を含む区割基準を定める

衆議院議員選挙区画定審議会設置法3条及び同基準に従って

選挙区割りを定める公職選挙法13条1項,

別表第1の各規定の合憲性について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

本件選挙時において,本件区割基準規定の定める

本件区割基準のうち1人別枠方式に係る部分は,

憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っており,

同基準に従って改定された本件区割規定の定める本件選挙区割りも,

憲法の投票価値の平等の要求に反するに至っていたものではあるが,

いずれも憲法上要求される合理的期間内における

是正がされなかったとはいえず,

本件区割基準規定及び本件区割規定が

憲法14条1項等の憲法の規定に違反するものということはできない

 

国民の意思を適正に反映する選挙制度は,民主政治の基盤である。

変化の著しい社会の中で,投票価値の平等という

憲法上の要請に応えつつ,これを実現していくことは容易なことではなく,

そのために立法府には幅広い裁量が認められている。

 

しかし,1人別枠方式は,衆議院議員の選挙制度に関して

戦後初めての抜本的改正を行うという経緯の下に,

一定の限られた時間の中でその合理性が認められるものであり,

その経緯を離れてこれを見るときは,

投票価値の平等という憲法の要求するところとは

相容れないものといわざるを得ない。

 

衆議院は,その権能,議員の任期及び解散制度の存在等に鑑み,

常に的確に国民の意思を反映するものであることが求められており,

選挙における投票価値の平等についてもより

厳格な要請があるものといわなければならない。

 

したがって,事柄の性質上必要とされる是正のための合理的期間内に,

できるだけ速やかに本件区割基準中の1人別枠方式を廃止し,

区画審設置法3条1項の趣旨に沿って本件区割規定を改正するなど,

投票価値の平等の要請にかなう立法的措置を講ずる必要があるところである。

 

原判決は,本件区割規定が本件選挙当時憲法に違反するものであったとしつつ,

行政事件訴訟法31条1項に示された一般的な法の基本原則に従い,

本件請求を棄却した上で,当該選挙区における

本件選挙が違法であることを主文において宣言したものであるが,

原判決は,前記判示と抵触する点において失当であり,

その限度において変更を免れないというべきである。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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