不当利得制度

(平成21年11月9日最高裁)

事件番号  平成21(受)247

 

この裁判では、

民法704条後段の規定の趣旨について

裁判所が見解を示しました。

 

最高裁判所の見解

不当利得制度は,ある人の財産的利得が

法律上の原因ないし正当な理由を欠く場合に,

法律が公平の観念に基づいて受益者に

その利得の返還義務を負担させるものであり

(最高裁昭和45年(オ)第540号

同49年9月26日第一小法廷判決・

民集28巻6号1243頁参照),

不法行為に基づく損害賠償制度が,

被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し,

加害者にこれを賠償させることにより,

被害者が被った不利益を補てんして,

不法行為がなかったときの状態に回復させることを

目的とするものである

(最高裁昭和63年(オ)第1749号

平成5年3月24日大法廷判決・

民集47巻4号3039頁参照)のとは,その趣旨を異にする。

不当利得制度の下において受益者の受けた利益を超えて

損失者の被った損害まで賠償させることは

同制度の趣旨とするところとは解し難い。

 

したがって,民法704条後段の規定は,

悪意の受益者が不法行為の要件を充足する限りにおいて,

不法行為責任を負うことを注意的に規定したものにすぎず,

悪意の受益者に対して不法行為責任とは

異なる特別の責任を負わせたものではないと解するのが相当である。

 

・全文はこちら(裁判所ホームページの本裁判のページ)

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