遺贈の対象不動産についてされた共同相続登記を遺留分減殺請求による持分の相続登記に更正することの可否

(平成12年5月30日最高裁)

事件番号  平成10(オ)994

 

最高裁判所の見解

1 原審の適法に確定した前記事実等によれば、被上告人らが、

遺留分減殺の名目でEから取得した本件各土地の前記各持分は、

被上告人らが前記遺留分減殺請求訴訟において

減殺請求により取得したと主張していた

本件各土地に対する各持分の割合よりも大きく、

また、前記和解において、被上告人らはEに対し

他の土地の法定相続分の無償譲渡と和解金五〇〇万円の

支払を約したというのであるから、被上告人らが

Eから取得した本件各土地の各持分は、

減殺請求によって取得したものとは到底認め難い。

 

したがって、被上告人らは右各持分を減殺請求によって取得したことを

前提として前記のような更正登記手続を

求めることはできないといわなければならない。

 

また、そもそも、被上告人らがEから取得した本件各土地の各持分は、

遺留分減殺により取得すべき持分の割合に止まるものであれ、

右割合を超えるものであれ、本件相続登記がされた後に

被上告人らがEから新たに取得した持分であるから、

本件相続登記の更正登記によって

右各持分の取得登記を実現することはできない。

 

2 そうすると、本件相続登記を被上告人B1の持分を五分の四、

同B2の持分を五分の一とする所有権移転登記に

更正登記手続をするよう求める被上告人らの本件請求を

認容すべきものとした原審の判断は、法令の解釈適用を誤った違法があり、

右違法は判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである。

 

したがって、原判決は上告理由を判断するまでもなく破棄を免れず、

第一審判決を取り消して、被上告人らの本件請求を棄却すべきである。

 

よって、裁判官千種秀夫の補足意見があるほか、

裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

 

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