入会地の売却代金債権が入会権者らに総有的に帰属するとされた事例

(平成15年4月11日最高裁)

事件番号  平成13(受)505

 

最高裁判所の見解

本件入会地は,上記老人ホームの

敷地として売却されたというのであるから,

その目的達成のために,本件入会地について,

本件権利者らが入会権の放棄をしたものと認めるのが相当である。

 

しかしながら,本件入会地が従前から本件権利者らの総有に属し,

本件権利者らが本件入会地を含む入会地の

管理運営等のために本件管理会を結成し,

その規約において入会地の処分等をも本件管理会の事業とし(7条),

本件入会地の売却が本件管理会の決議に基づいて行われ,

売却後も本件権利者らの有する他の入会地が残存し,

本件管理会も存続しているという前記事実関係の下においては,

本件管理会の事業として行われた本件入会地の売却を前提として,

上記の趣旨で行われた上記入会権の放棄によって

本件管理会の本件入会地に対する管理が

失われたということはできないから,

放棄によって本件入会地に対する本件権利者らの

権利関係が総有から通常の共有に変化したものと解する根拠はない。

 

そして,本件管理会の規約7条は,入会地の売却代金の管理運営を

本件管理会の事業とする旨を定めており,本件管理会においては,

規約上,入会地の売却代金が本件権利者らの

総有に属することを当然の前提としていたということができる。

 

そうすると,本件入会地の売却代金債権は,

本件権利者らに総有的に帰属するものと解すべきであり,

被上告人が同代金債権について持分に応じた

分割債権を取得したということはできない。

 

したがって,被上告人が上記売却代金債権について持分に応じた

分割債権を取得したことを前提とする本件損害賠償請求は,

理由のないことが明らかである。

 

以上によれば,論旨は,上記の趣旨をいうものとして理由があり,

原審の前記判断には判決に影響を及ぼすことの明らかな法令違反がある。

 

原判決は破棄を免れない。

そして,前記説示によれば,被上告人の請求を棄却すべきである。

 

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