銃砲刀剣類所持等取締法違反
(平成8年2月13日最高裁)
事件番号 平成5(あ)728
最高裁判所の見解
原判決の認定によれば、被告人が包丁儀式に使用するものとして
所持していた本件七本の刃物は、いずれも、
刃渡りが約三二・二ないし三三・四センチメートル、
柄に近い部分の刀身の幅は約三・五センチメートル、
棟の厚みは約〇・四センチメートルで、
片面が研磨された鋭利な刃が付けられた、
先端の鋭利な鋼鉄(炭素鋼)製の刃物であって、
鍔はないが、刀身とほぼ同じ幅の白木の柄に目釘で固定され、
白木の鞘に収められており、刀身の刃区(はまち)の部分には
小さいながらも和包丁の特徴である俗に
アゴと言われる段差があるものの、?(はばき)により
その段差が完全に覆い隠されているというのである。
そうしてみると、右各刃物は、社会通念上「刀」というに
ふさわしい形態、実質を備えていると認めるのが相当である
(長さから言えば俗に言う脇差に当たる。)。
したがって、右各刃物は、いずれも、
銃砲刀剣類所持等取締法(平成三年法律第五二号による改正前のもの)三条一項にいう
「刀剣類」に当たるとした原判断は、正当である。
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